どこでもないどこかへ。

僕の心を惹きつけてやまないのは、常に中心にあって繰り返し沸き起こる疑問だ――どこかに帰属する、というのはそもそもどういうことなのだろう? - ショーン・タン『見知らぬ国のスケッチ アライバルの世界』 ショーン・タン著 小林美幸訳(河出書房新社)より 僕の心を惹きつけてやまないのは、常に中心にあって繰り返し沸き起こる疑問だ――どこかに帰属する、というのはそもそもどういうことなのだろう? - ショーン・タン『見知らぬ国のスケッチ アライバルの世界』 ショーン・タン著 小林美幸訳(河出書房新社)より

ショーン・タンは、約5年におよぶ制作期間を経て、2006年に移民をテーマにしたグラフィック・ノベル『アライバル』を発表しました。テキストを使わずに緻密にイメージを組み立ててつくり上げたこの物語は、すぐさま国境を越えて世界中の人々を驚かせました。本展は、タンの全面的な協力のもとに開催される日本初の大規模な個展です。彼が最初に絵と文を手がけた絵本『ロスト・シング』から最新作までの原画と習作のほか、スケッチ、映像作品、変な生き物をかたどった立体作品も含め約130点の作品を展示し、彼がつくる奇妙で懐かしい世界をたっぷり紹介します。

PROFILE プロフィール

ショーン・タン
Photo: Inari Kiuru

ショーン・タン(1974~)

サイン

1974年オーストラリア生まれ。幼いころから絵を描くことが得意で、学生時代からSF雑誌で活躍。西オーストラリア大学では美術と英文学を修める。オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。2006年に刊行した『アライバル』は現在23の言語で出版されている。イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプト・アーティストとしての活躍の場をひろげている。約9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』で2011年にアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。同年、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞も受賞。

HIGHLIGHTS 見どころ

  • 居場所を求めて

    • 『ロスト・シング』より 1999 年
    • ショーン・タン『エリック』より 2007年

    一貫してタンが描いているのは、何かが失われ、ほころびが生じた世界。しかし、そこには人々が共有してきた「いつか見た光景」が織り込まれ、新たな世界との出会いと希望の萌芽が描かれています。『アライバル』、『ロスト・シング』、『遠い町から来た話』の原画、資料、映像を展示します。

  • 大作『アライバル』ができるまで

    • ショーン・タン『アライバル』より2004~2006年
    • ショーン・タン『アライバル』より2004~2006年
    • 『アライバル』初期の写真による習作:部屋のなかの生き物
    • 『アライバル』スケッチ:ディギーとの出会い

    移民をテーマにした文字のないグラフィック・ノベル『アライバル』は、制作に約5年の歳月を費やしました。イメージをスケッチしたり、自分がモデルとなって写真を撮ったり、写真をコラージュしたり、架空の国の情景をディテールに至るまでつくりあげた過程を習作や資料とともにご紹介します。

  • 想定外の変な生き物

    • ショーン・タン《火曜午後の読書会》
      『遠い町から来た話』より 2004 年
    • ショーン・タン いたずらがきをするやつ 2011年

    タンが描く世界には、戦争や災害のメタファーのようなモンスターがいる一方で、人間と共生する不思議な生き物が登場します。タンのイマジネーションから生まれたこれらの生き物は、人々が共同幻想としてつくりあげた神話のなかに出てくる架空の生き物にも似て、物語の世界を豊かにする存在です。タンの世界に住む変な生き物たちを立体作品も含めて、たっぷりご紹介します。

  • どこでもないどこかへ

    • ショーン・タン『内なる町から来た話』より 2017年

    タンにとって、日常の観察は創作の出発点といえます。タンが描く風景は、物語の原型を宿しています。自然の形と人工物の組み合わせは、タンのイマジネーションを刺激し、現実の風景のなかに、どこにもない世界を浮かび上がらせています。日常の風景を独自の視点で切り取った油彩画や、絵本『夏のルール』や最新作『内なる町から来た話』の原画などを展示します。

ABOUT 開催概要

終了会場
展覧会名
ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ
北九州市立美術館分館
2020年12月12日(土)~2021年1月31日(日) ※福岡展
そごう美術館
2020年9月5日(土)~2020年10月18日(日) ※横浜展
安曇野ちひろ美術館
2020年6月27日(土)~2020年8月30日(日) ※長野展
石ノ巻萬画館
2019年12月21日(土)~2020年2月11日(火・祝) ※宮城展
美術館「えき」KYOTO
2019年9月21日(土)~2019年10月14日(月・祝) ※京都展
ちひろ美術館・東京
2019年5月11日(土)~2019年7月28日(日) ※東京展